このデッキは、青馬堂本店で開催されたシティリーグにおいて、見事なパフォーマンスを発揮し、決勝卓でオリジンパルキアVSTARデッキとの激戦を制して優勝を果たしました。環境トップのデッキに対しても対応できる安定感と柔軟性を兼ね備えた構築が、この快挙を支えたと言えるでしょう。本記事では、このデッキの強さや戦術を詳しく解説していきます。
もくじ
サーナイトexデッキレシピ
ポケモン (18枚) | |
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かがやくゲッコウガ | 1 |
マナフィ | 1 |
クレッフィ | 1 |
サケブシッポ | 1 |
ハバタクカミ | 1 |
フワンテ | 1 |
マシマシラ | 2 |
ラルトス | 4 |
キルリア | 4 |
サーナイトex | 2 |
グッズ (22枚) | |
なかよしポフィン | 4 |
アンフェアスタンプ | 1 |
カウンターキャッチャー | 2 |
ネストボール | 1 |
ハイパーボール | 3 |
ヒスイのヘビーボール | 1 |
ワザマシン エヴォリューション | 2 |
勇気のおまもり | 2 |
夜のタンカ | 4 |
大地の器 | 2 |
サポート (9枚) | |
ナンジャモ | 3 |
フトゥー博士のシナリオ | 1 |
ペパー | 4 |
ボスの指令 | 1 |
スタジアム (2枚) | |
ボウルタウン | 1 |
月明かりの丘 | 1 |
エネルギー (9枚) | |
基本超エネルギー | 7 |
悪エネルギー | 2 |
このデッキの最大の魅力は、安定感と柔軟性のバランスがとても良いことです。まず、かがやくゲッコウガの特性「かくしふだ」が非常に優秀で、エネルギーをトラッシュしながら山札からカードを引けるため、手札の補充とエネルギー管理を同時に進められます。また、キルリアの特性「リファイン」も、いらないカードをトラッシュしながら手札を整える働きを持っているため、序盤から中盤にかけてスムーズな展開をサポートしてくれます。
サーナイトexの特性「サイコエンブレイス」によって、トラッシュにある基本エネルギーをポケモンに付けられるのも大きなポイントです。これにより、後半戦でもエネルギー切れを起こさず、攻撃を続けることが可能になります。また、クレッフィの特性「いたずらロック」は相手の特性を封じる効果があるため、相手の動きを大きく制限し、こちらが有利に試合を進めやすくなります。
さらに、防御面でも工夫がされています。マナフィの特性でベンチポケモンを守れるため、ベンチ撃への対策がしっかりと取られていますし、「夜のタンカ」や「勇気のおまもり」といったカードで長期戦にも対応できます。
このデッキは、序盤から中盤にかけて盤面を整えやすく、終盤にはしっかりと火力を維持できる構築になっています。いろいろなデッキタイプに対応できる柔軟性と安定感が、このデッキの大きな強みと言えるでしょう。このバランスの良さが、シティリーグでの優勝に繋がったのだと思います。
ダメカンを活かす!サーナイトex定番戦術の真髄
このデッキの特長のひとつは、サーナイトexの特性「サイコエンブレイス」を活用して、エネルギーを付けたときにポケモンに乗るダメカンを戦術的に利用する点です。具体的には、マシマシラの特性「アドレナブレイン」がカギとなります。この特性を使えば、自分のポケモンに乗っているダメカンを相手のポケモンに移動させることが可能です。これによって、サーナイトexのデメリットを逆に相手へのダメージ源として活かすことができます。
さらに、サケブシッポとフワンテが戦術を補完します。サケブシッポの技「ほえさけぶ」は、このポケモンに乗っているダメカンの数×20ダメージを相手のポケモン1匹に与えることができるため、広範囲にプレッシャーをかけられます。一方で、フワンテの技「バルーンボム」は、ダメカンの数×30ダメージという高火力を狙える技です。これらの非exポケモンを攻撃の主力にすることで、相手が倒してもサイドを1枚しか取れない点が非常に強力です。
この戦術では、自分のポケモンに乗ったダメカンを攻撃のための資源として利用し、相手に効率的なダメージを与え続けることができます。特に、非exポケモンをメインアタッカーに据えることでサイドレースを有利に進められる点が、このデッキの大きな強みと言えるでしょう。
戦術の要となるカード紹介
サーナイトex & キルリア:デッキの中核を担う重要カード
サーナイトexは、特性「サイコエンブレイス」を活用し、トラッシュの基本エネルギーをポケモンに付けることでエネルギー供給を安定させます。この特性は自分の番に何度でも使えるため、場を一気に加速させることが可能です。付けたポケモンにダメカンを2個乗せるデメリットがありますが、ダメカンを戦術に組み込むことで、この特性のデメリットをむしろ有効活用できます。
また、サーナイトexのワザ「ミラクルフォース」(ダメージ190)は、特殊状態の回復が付いており、攻撃と同時に自身の状態を整える場面でも役立ちます。
進化前のキルリアも、特性「リファイン」でデッキの安定性を向上させます。手札を1枚トラッシュして山札から2枚引く効果は、必要なカードを引き込みつつトラッシュを活用する動きをサポート。場を整えるための潤滑油として活躍します。
サーナイトexとキルリアが連携し、エネルギー供給とドローを安定させることで、このデッキは序盤から中盤にかけて強力な盤面を作り上げます。
マシマシラ:ダメカン操作と妨害で活躍する万能ポケモン
マシマシラは、特性「アドレナブレイン」とワザを巧みに活用することで、場の状況を有利に進められる重要なサポートポケモンです。特性「アドレナブレイン」は、自分の場のポケモンに乗っているダメカンを3個まで選び、相手のポケモンに移動することができます。これにより、サーナイトexの特性「サイコエンブレイス」で付いたダメカンを攻撃のリソースとして活用可能にします。これにより、サーナイトexのエネルギー加速のデメリットを戦術の一部として取り込むことができます。
また、マシマシラはワザ「サイコトリップ」(60ダメージ)も優秀です。このワザは、相手のバトルポケモンをこんらんにする効果を持ち、場が思うように回らないときや時間を稼ぎたい場面で非常に役立ちます。攻撃と妨害を兼ね備えているため、どのタイミングでも一定の活躍が見込める柔軟なカードです。
このように、マシマシラはダメカンを操作して攻撃のリソースに変えるだけでなく、状況に応じた妨害で相手を翻弄する戦術を可能にします。このデッキにおいて欠かせない万能ポケモンと言えるでしょう。
サケブシッポ:ダメカンを力に変える強力なアタッカー
サケブシッポは、特性を持たないたねポケモンですが、そのワザ「ほえさけぶ」によって攻撃力を大きく伸ばすことができます。このワザは、相手のポケモン1匹に、このポケモンに乗っているダメカンの数×20ダメージを与えるというもので、自分にダメカンが多く乗るほど攻撃力が高まるユニークな性能を持っています。
ここで特性「サイコエンブレイス」を持つサーナイトexと組み合わせることで、サケブシッポの強みをさらに引き出すことが可能です。サイコエンブレイスでエネルギーを付けるたびにサケブシッポにダメカンが2個乗りますが、このダメカンがそのまま攻撃力のリソースになるため、攻撃力を意図的に高めることができます。
さらに、勇気のおまもりを装備することで、サケブシッポの耐久力を底上げできます。通常、サケブシッポの最大HPは90ですが、勇気のおまもりを付けることでHPが140にまで上昇します。この状態で、サイコエンブレイスを使って限界までエネルギーを付けると、12個のダメカンが乗ります。12個のダメカンが乗ったサケブシッポが「ほえさけぶ」を使用すると、12×20=240ダメージを相手のポケモンに与えることができます。これにより、例えばHP210のキチキギスexや、他の耐久力の高いベンチポケモンを一撃で倒すことも可能になります。
サケブシッポは、たねポケモンであるため、進化を待たずに早い段階で戦線に出せる点も魅力です。序盤から中盤にかけて相手に圧力をかけつつ、倒されてもサイドを1枚しか取られないため、サイドレースを有利に進められます。特にベンチを攻撃できる点は、相手の重要なサポートポケモンを狙う戦術にも有効です。
このように、サケブシッポはサーナイトexや勇気のおまもりとの相性が非常に良く、ダメカンを活用した戦術の中心となるカードです。高火力を実現しつつ非exポケモン特有の軽さを活かして戦うこのカードは、デッキに欠かせないアタッカーとして活躍してくれるでしょう。
フトゥー博士のシナリオ:戦術的なリセットを可能にするカード
フトゥー博士のシナリオは、自分の場のポケモン1匹を手札に戻すことができるサポートカードです。この効果は一見シンプルですが、特に終盤の戦略において大きな役割を果たします。
例えば、サーナイトexが場にいる場合、このカードを使うことでサーナイトexを手札に戻し、相手にサイドを取らせない戦術を実現できます。サーナイトexが倒されるとサイドを2枚取られてしまうため、非exポケモンのみを場に残すことで、相手のプランを崩しつつサイドレースを有利に進められるのが特徴です。
また、相手が悪タイプのポケモンをメインにしている場合には、サーナイトexは弱点を突かれやすく、簡単に倒されてしまうリスクがあります。この状況下では、特性「サイコエンブレイス」で必要なエネルギーを供給した後、フトゥー博士のシナリオでサーナイトexを手札に回収する動きが非常に有効です。これにより、サーナイトexを守りながら、相手にサイドを取らせない巧みな戦術を展開できます。
さらに、このカードは非exポケモンを中心にした攻撃プランとも相性が良く、場に必要以上の負担をかけずに状況をコントロールできます。相手のポケモンがサーナイトexを狙って攻撃を仕掛けようとしたタイミングでこのカードを使えば、相手の攻撃を無駄にし、試合を有利に進められるでしょう。
フトゥー博士のシナリオは、デメリットを最小化しつつ、サーナイトexの特性や非exポケモンとの連携を強化する優れたサポートカードです。終盤の駆け引きにおいて、試合の流れを変える一手として活躍することでしょう。
まとめ:ダメカンを武器に変える戦術で勝利を掴む!
このデッキは、特性「サイコエンブレイス」を持つサーナイトexを中心に、ダメカンを攻撃リソースとして活用する独自の戦術が魅力です。通常であればデメリットとされるダメカンをマシマシラの特性「アドレナブレイン」で相手に移動し、逆にアドバンテージに変えるこの戦略は、対戦相手にとって非常に厄介な存在となります。
さらに、非exポケモンであるサケブシッポは、ワザ「ほえさけぶ」によって乗っているダメカンの数に応じた高火力を出すことができ、サイドを1枚しか取られないという非exポケモン特有の強みを最大限に活かします。また、勇気のおまもりでHPを強化することで、エネルギーを多く付けた状態でも長く場に残り、相手に大きなダメージを与えることが可能です。
さらに、フトゥー博士のシナリオは、終盤にサーナイトexを手札に戻すことで、相手にサイドを取らせない戦術を実現します。特に悪タイプのポケモン相手には弱点を突かれるリスクを回避しつつ、非exポケモンを前線に配置して安全に戦いを進めることができます。この柔軟な戦略が、デッキ全体の完成度をさらに高めています。
全体として、このデッキは「ダメカンをリソースに変える」独自の戦術が特徴です。攻撃力と耐久力、柔軟性を兼ね備えた構築により、序盤から終盤まで安定した戦いが可能になります。サーナイトexを中心にしたダメカン操作と、非exポケモンの巧みな使い分けが、このデッキの勝利のカギと言えるでしょう。どんな相手にも対応できるこの戦術、ぜひ一度お試しください!